「ITエンジニアはフリーランスになれば自由に稼げる!」
「会社に縛られずに好きな仕事だけやりたい!」
そんな理由で、未経験や経験の浅いエンジニアがいきなりフリーランスを目指すのは危険です。確かに、フリーランスには会社員にはない自由がありますが、その分のリスクやデメリットもたくさんあります。
この記事では、IT業界のフリーランスの実態と、なぜ最初からフリーランスを目指すべきではないのかを解説します。
1. IT業界におけるフリーランスの働き方とは?
IT業界のフリーランスとは、企業に属さず、個人で仕事を請け負うエンジニアのことです。
案件の種類としては、大きく分けて次の2つがあります。
✅準委任契約(SES型):客先に常駐して働くフリーランス(エージェント経由が多い)
✅請負契約:システム開発やWeb制作などを受注し、納品する(完全独立型)
特に未経験や経験の浅いエンジニアの場合、請負契約で仕事を取るのはほぼ不可能なので、SES型のフリーランスが主流です。つまり未経験の場合、「フリーランス=自由に働ける」ではなく、「フリーランス=契約社員のように企業で働く」場合が多いのが現実です。
2. フリーランスには誰も教えてくれない!
会社員であれば、分からないことがあれば先輩や上司に相談できる環境がありますが、
フリーランスは誰も手取り足取り教えてくれません。あなたを教える義務がないからです。
✅業務で分からないことがあっても、基本的に自分で解決しなければならない
✅教育制度はなく、スキルアップは完全に自己責任
✅会社員なら定期的にある「評価」や「昇給」がない
「フリーランスのほうが気楽そう!」と思うかもしれませんが、
実際には「一人で全部対応できるスキルと経験」がなければ、仕事にならないのです。
3. 営業も自分でやる必要がある
会社員であれば、営業担当が仕事を取ってきてくれますが、フリーランスは自分で案件を探さなければなりません。具体的な営業方法としては下記のスタイルになるでしょう。
✅エージェントを使う
✅企業に直接営業する
✅知人から仕事を紹介してもらう
✅クラウドソーシングを活用する
「営業なんてやったことない…」という人は、仕事を取るだけでも一苦労。
特に実績のない状態では、良い案件を取るのは難しいため、最初のうちは単価が低くなりがちです。
また、案件が途切れると収入ゼロなので、仕事を探し続ける必要があります。
「次の仕事、どうしよう…」と常に考えなければならないのは、会社員にはないプレッシャーです。
4. フリーランスはリーダー的な役割をする機会が少ない
フリーランスとして現場に入る場合、リーダーやマネジメントの役割を任されることはほぼありません。
企業側からすると、フリーランスは「一時的な戦力」として扱われることが多いからです。
✅プロジェクトの意思決定に関わる機会が少ない
✅チームのマネジメントや後輩の指導を任されることが少ない
✅責任のあるポジションには、基本的に正社員が配置される
このような機会が与えられないというのは、エンジニアとしてスキルアップを目指すうえでおおきな壁となります。
5. 会社員とフリーランスの「責任」の違い
フリーランスになると、会社員と比べて「責任の重さ」が大きく違ってきます。
特に、不具合などで顧客に損害を与えた場合の対応は、会社員とフリーランスで大きく異なります。
✅会社員:会社が契約主体なので、基本的に企業が責任を負う(本人の故意や重大な過失を除く)
✅フリーランス:契約主体が個人なので、自分で責任を取らなければならない
例えば、フリーランスのエンジニアが作成したシステムにバグがあり、
顧客に多額の損害を与えた場合、契約内容によっては損害賠償を請求される可能性もあります。
会社員なら「会社が責任を持つ」ケースがほとんどですが、フリーランスはそうはいきません。
契約内容によっては、損害を自分で補償しなければならず、最悪の場合、大きな借金を抱えるリスクもあります。
6. 月収と月商の違いを理解しよう!
フリーランスになる前に、「月収」と「月商」の違いを理解することが大切です。
✅月収(会社員):手取りの給料(税金や社会保険料は会社が計算&控除)
✅月商(フリーランス):請求額(ここから税金や経費を自分で払う)
例えば、フリーランスで「月商50万円」だったとしても、
ここから所得税、住民税、国民健康保険、年金、経費などを引くと、実際の手取りは40万円以下になることがほとんどです。
7. まとめ:まずは会社員で経験を積もう!
フリーランスにはメリットもありますが、いきなりなるのはリスクが高すぎます。
会社員として経験を積んでから独立するほうが、圧倒的に有利です。
✅フリーランスは誰も教えてくれない。まずは会社で学ぶ環境を活用する
✅営業も自分でやる必要がある。最初から安定した収入は見込めない
✅責任がすべて個人にかかるため、契約内容をしっかり理解する必要がある
焦らずに経験を積んで、しっかり準備をしてから独立を目指しましょう!
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