IT業界にはさまざまな企業の種類が存在し、それぞれが異なるビジネスモデルや仕事内容を持っています。ここでは「自社開発」「SIer(プライムSIer、サブSIer)」「コンサル」「SES」「Web制作会社」「プロダクトベンダー」の6種類の企業について、それぞれの特徴や仕事内容を説明します。また、未経験者が目指しやすい企業、目指しにくい企業についても解説します。
IT企業の種類と特徴
自社開発
仕事内容: 自社サービスや製品(Webサービス、アプリケーションなど)の開発、運用、改善。
特徴: 自社で企画・開発・運用を一貫して行い、ユーザーからのフィードバックを直接受けられる。技術的な挑戦が多い。
代表例: Google、楽天、メルカリ
未経験の転職難易度: ★★★★☆(難しい)
SIer(プライムSIer)
仕事内容: 顧客(大手企業や官公庁)から直接依頼を受け、システム設計、構築、運用を請け負う。
特徴: 上流工程(要件定義、設計)やプロジェクト管理が中心で、大規模プロジェクトに携わる機会が多い。
代表例: NTTデータ、富士通、NEC
未経験の転職難易度: ★★★★★(非常に難しい)
SIer(サブSIer)
仕事内容: プライムSIerから受注し、詳細設計や開発、テストを担当。
特徴: プライムSIerからの仕様に基づき作業を行う。下流工程を担当することが多いが、幅広い技術を経験できる場合もある。
代表例: SCSK、TIS、野村総合研究所
未経験の転職難易度: ★★★☆☆(やや難しい)
コンサル
仕事内容: 顧客の経営課題を解決するためにIT戦略の立案、システム導入支援、業務改革などを行う。
特徴: 高度な論理的思考力とコミュニケーション能力が求められる。給与水準が高いが激務になりがち。
代表例: アクセンチュア、PwC、デロイト
未経験の転職難易度: ★★★★★(非常に難しい)
SES
仕事内容: 自社のエンジニアを他社に派遣し、開発や運用保守、テスト業務を行う。
特徴: 未経験OKの求人が多く、プロジェクト先で作業を行うため、自社での帰属意識が薄れることがある。
代表例: 多くの中小企業
未経験の転職難易度: ★★☆☆☆(目指しやすい)
Web制作会社
仕事内容: WebサイトやECサイト、マーケティングツールのデザイン、コーディング、構築を行う。
特徴: 小規模プロジェクトが多いが、クリエイティブな仕事に関われる。短納期案件が多く、忙しい場合がある。
代表例: GMOペパボ、リブセンス
未経験の転職難易度: ★★★☆☆(やや難しい)
プロダクトベンダー
仕事内容: ERP、CRM、セキュリティソフトなど特定の業務向け製品の開発・販売・導入支援を行う。
特徴: 特定製品に特化した深い技術知識を身につけられる。製品に依存したキャリアになる可能性がある。
代表例: SAP、Salesforce、トレンドマイクロ
未経験の転職難易度: ★★★★☆(難しい)
未経験でも目指しやすい企業、目指しにくい企業
未経験でも目指しやすい企業
✅SES企業
未経験OKの求人が多く、基礎的な業務(運用・監視、テストなど)からスタートできる。ただし、初期業務が単調になりがちで、キャリアアップには自分の努力が必要。
✅Web制作会社
HTML/CSS、JavaScriptなどを独学で学び、ポートフォリオを作れば転職しやすい。デザインセンスや成果物のクオリティが採用の決め手になる。
✅インフラ系のサブSIer
運用・監視業務からスタートでき、基礎的なITスキルを学べる。夜勤が発生する可能性や、単調な業務に耐える必要がある。
未経験では目指しにくい企業
✅プライムSIer
要件定義や設計など、上流工程がメインのため、経験者を求めることが多い。サブSIerやSES企業で経験を積んだ後に目指すのが現実的。
✅コンサルティングファーム
論理的思考力、コミュニケーション能力、IT知識など、高度なスキルが求められる。IT業界で経験を積み、プロジェクト管理スキルを磨いてから挑戦。
✅プロダクトベンダー
特定製品に対する深い知識や経験が必要になることが多い。他の分野で経験を積み、その製品に関連するスキルを身につけてから目指す。
結論
未経験者がIT業界を目指す場合、一番目指しやすいのがSES企業、その次がWeb制作会社や一部のサブSIerというのが現実的な選択肢です。一方で、プライムSIerやコンサルティングファームは経験者向けの求人が多いため、長期的な目標として設定するのがおすすめです。
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